コンデンサーの公式は、仕組みを考えれば簡単!静電エネルギーも丸暗記不要!

サルボルト
サルボルト

ようこそ!サルボルトだよ

今回は、コンデンサー(Capacitor)について勉強しよう。

電磁気分野のラスボスの一人だ。コイツと「コイル」が出てくると、途端に回路が難しく見えるよね。

「電気を蓄える」っていうのはみんな知ってるんだけど、

「\(Q=CV\) っていう公式は知ってるけど、Cって何?」
「エネルギーが \(\frac{1}{2}CV^2\) って、なんで \(\frac{1}{2}\) がつくの?」
「ていうか、なんで電池と繋いでるのに電流が流れなくなるの?」

こんな疑問を、今日は一気に解決しよう。

コンデンサーの「気持ち」がわかれば、もう暗記する必要はなくなるよ!

コンデンサーって、なに?

コンデンサーの正体は、すごくカンタン。

「2枚の金属板(極板)を、向かい合わせただけの部品」だ。

大事なのは、この2枚の金属板、「繋がっていない(離れている)」ということ。

回路図の記号も、ここで「途切れてる」だろ?

ここに電池を繋ぐと、何が起こるか。

  1. 電池は、(+)極側の金属板から、(ー)の電気(電子)をムリヤリ吸い出す。
  2. 吸い出された電子は、電池を通って、(ー)極側の金属板に送り込まれる。
  3. (+)極側は電子が不足して(+)に帯電、(ー)極側は電子が過剰になって(ー)に帯電する。
  4. 金属板が(+)と(ー)に帯電すると、2枚の板の間に「電位差(電圧)」が生まれる。
  5. このコンデンサーの電圧が、電池の電圧と「同じ」になったら、もう電子は動けなくなる。(充電完了)

そう。コンデンサーは、(+)と(ー)の間に電流が流れているんじゃなくて、「電子が”移動”して、電荷が”溜まって”いる」だけなんだ。

この「溜まった電気の量」を \(Q\) [C](クーロン)と呼ぶ。

「どれだけ電荷を溜められるか」の”器の大きさ”(容量)を \(C\) [F](ファラド)と呼ぶ。

「どれだけパンパンに溜めたか」(電圧)を \(V\) [V](ボルト)と呼ぶ。

そして、この3つの関係が、コンデンサーの基本公式だ。

$$Q = CV$$

(溜まった電荷 \(Q\) は、器の大きさ \(C\) と、電圧 \(V\) に比例する。当たり前だね)

本日のゴール

コンデンサーの最大の仕事は「エネルギーを蓄える」こと。

じゃあ、どれだけのエネルギーが蓄えられるんだろう?

問題

電気容量\(C\)のコンデンサーを、電圧\(V\)の電池で充電した。充電が完了したとき、コンデンサーに蓄えられている「静電エネルギー」\(U\)を求めよ。

(コンデンサーと電池の回路図)

「エネルギー(仕事)は \(W = qV\) って習ったから、\(U = QV\) じゃないの?」

…そう思った人、半分正解で半分間違いだ。

この記事を読めば、なぜ「あの」公式になるのか、一発でわかるよ。

解答

コンデンサーに蓄えられるエネルギー\(U\)は、\(Q-V\)グラフの面積(三角形)に等しい。
最終的に電荷\(Q\)、電圧\(V\)になったとき(\(Q=CV\))、
$$U = \frac{1}{2} \times (底辺 Q) \times (高さ V) = \frac{1}{2}QV$$
\(Q=CV\)を代入して、
$$U = \frac{1}{2}CV^2$$(または \(U = \frac{Q^2}{2C}\))

ほらね。

カギは、「\(\frac{1}{2}\)(2分の1)」だ。これがナゼ出てくるのか、じっくり解説しよう。

なぜエネルギーは \(\frac{1}{2}CV^2\) なのか?

「エネルギー(仕事)」の定義は、「(運んだ電荷)×(逆らった電圧)」だ。

コンデンサーの充電は、(ー)極から(+)極へ、無理やり電子を「引っ越し」させる作業だ。

この引っ越し作業(仕事)をしたのが「電池」であり、電池がした仕事が、コンデンサーに「静電エネルギー \(U\)」として蓄えられるんだ。

じゃあ、電池はどれだけ仕事をしたんだろう?

最終的に、全部で \(Q\) の電荷を、電圧 \(V\) の電池で運んだんだから、仕事は \(QV\)… ではない!

これが最大のワナだ。

サルボルト
サルボルト

考えてみてくれ。

充電が始まったばっかりの時、コンデンサーの電圧はまだ \(0\) [V] だ。

最初の1個目の電子を運ぶのは、電圧 \(0\) に逆らうだけだから、仕事はゼロ。楽勝だ。

でも、充電が進むにつれて、コンデンサーに電圧 \(v\) が発生してくる。

最後の1個の電子を運ぶときは、パンパンに溜まったコンデンサーの電圧(ほぼ \(V\))に逆らって運ぶから、メチャクチャ大変だ。

そう、コンデンサーの充電は、「だんだん大変になっていく仕事」なんだ。

最初(電圧0)は仕事が 0、最後(電圧V)は仕事が \(qV\)(qは1個の電荷)。

じゃあ、トータルの仕事は?

こういう「だんだん増える」ものの合計を計算するとき、一番カンタンなのが「グラフ」だ。

タテ軸に「電圧 \(v\)」、ヨコ軸に「溜まった電荷 \(q\)」をとったグラフを考えてみよう。

\(q = Cv\) の関係があるから、\(v = \frac{1}{C}q\) となり、グラフは「原点を通る傾き \(\frac{1}{C}\) の直線」になる。

充電が完了したとき、電荷は \(Q\)、電圧は \(V\) になっている。

さて、このグラフ上で、「仕事(エネルギー)」はどこに現れるだろう?

「少〜〜しだけ電荷 \(dq\) を運ぶ」ときの「少〜〜しな仕事 \(dU\)\)は、その瞬間の電圧を \(v\) として、

$$dU = v \times dq$$

これって、グラフ上で「タテ\(v\) × ヨコ\(dq\)」の、ものすごく細い長方形の面積になってないか?

ということは、充電開始(\(q=0\))から充電完了(\(q=Q\))までのトータルの仕事 \(U\) は、

「\(Q-V\)グラフと、\(q\)軸で囲まれた部分の”面積”」

に、他ならないんだ!

グラフの形は?…そう、「三角形」だ。

底辺が \(Q\)、高さが \(V\) の、直角三角形だ。

三角形の面積は?

$$U = \frac{1}{2} \times (底辺 Q) \times (高さ V) = \frac{1}{2}QV$$

これこそが、コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーの正体だ!

「\(\frac{1}{2}\)」がつく理由は、「電圧が0からVまで”まっすぐ”(直線的に)増えていくから、平均の電圧が \(\frac{V}{2}\) になる」(=三角形の面積だから)なんだね。

あとは、\(Q=CV\) の関係を使って、この式を好きな形に変形すればいい。

    • \(Q=CV\) を代入: \(U = \frac{1}{2}(CV)V = \frac{1}{2}CV^2\)
    • \(V=Q/C\) を代入: \(U = \frac{1}{2}Q(\frac{Q}{C}) = \frac{Q^2}{2C}\)
    • </ul class=”wp-block-list”>

全部同じエネルギーを表してるよ。

厳密な計算(物理強者向け)

このサイトを訪れるのにはふさわしくないくらいの物理強者のために、ガチガチの微分積分を使った導出をご用意しました。(ハイレベルな方には敬語)

コンデンサーに電荷が \(q\) [C] 蓄えられているとき、その電位差(電圧)は \(v = \dfrac{q}{C}\) である。

この状態から、さらに微小な電荷 \(dq\) [C] を、電位差 \(v\) に逆らって運ぶために必要な微小な仕事(エネルギー) \(dU\) は、

$$dU = v \cdot dq$$

で与えられる。

ここに \(v = \dfrac{q}{C}\) を代入すると、

$$dU = \left(\frac{q}{C}\right) dq$$

したがって、電荷が \(0\) の状態から、最終的に \(Q\) まで充電する間に蓄えられる総エネルギー \(U\) は、この \(dU\) を \(q=0\) から \(q=Q\) まで積分(足し合わせる)することで求められる。

$$U = \int_{0}^{U} dU = \int_{0}^{Q} \frac{q}{C} dq$$

\(\dfrac{1}{C}\) は定数なので、積分の外に出せる。

$$U = \frac{1}{C} \int_{0}^{Q} q \ dq$$

\(q\) の積分は \(\dfrac{1}{2}q^2\) であるから、

$$U = \frac{1}{C} \left[ \frac{1}{2}q^2 \right]_{0}^{Q}$$

$$U = \frac{1}{C} \left( \frac{1}{2}Q^2 – \frac{1}{2} \cdot 0^2 \right)$$

$$U = \frac{Q^2}{2C}$$

これは、\(Q-V\)グラフの面積(三角形)を求める操作と、数学的に全く同じことを意味している。

おわりに

コンデンサーのエネルギーに「\(\frac{1}{2}\)」がつく理由、わかってもらえたかな?

ポイントは、「エネルギーは \(Q-V\) グラフの面積(三角形)だ!」ということ。

これさえ覚えておけば、\(U = \frac{1}{2}QV\)、\(U = \frac{1}{2}CV^2\)、\(U = \frac{Q^2}{2C}\) の3つの公式は、\(Q=CV\) を使っていつでも自力で導ける。

「なぜ \(\frac{1}{2}\) がつくか」を、積分(またはグラフの面積)で説明できると、一気に「わかってるヤツ」になれるぞ!

サルボルト
サルボルト

次は、コンデンサーの相棒、「コイル」の記事も書かないとな!

今後、noteで練習問題を投稿する予定なので、フォローして待っててくれると嬉しい。

それでは次の記事で!

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