ようこそ!
「サルでもわかる高校物理」を運営しているサルボルトと言います。
この記事に辿り着いたということは、以下の2パターンのどれかには属されるのではないでしょうか?
- 理系を志して、なんとなく物理選択にしてみようかな〜と悩み途中の方
- 独学を始めてみたけど、早速つまづいたのでスタートからやり直したいという方
いずれも大歓迎です!
物理って、本当に面白い学問なんですが、初心者ハードルが高すぎるがために多くの人々を苦しめてきた凶悪な学問でもあります。
普通、物理について取り扱うサイトでは、各単元の解説やおすすめの参考書を紹介するにとどまりがちです。
でもこのサイトでは、物理を勉強していく途中で「今、何をしているんだっけ?」という根本的な落とし穴にハマらないように、そもそも物理とは何をする学問なのか?ということから丁寧に説明していきます。
「何のためにこんな話聞かされてるんだ?」と思うかもしれませんが、これは物理が得意になるためには欠かせません。
物理の目的を知ることは本当に大事です。
本当にグンとレベルを下げているので、ぜひこの記事を楽しんでくださいね!
物理ってなんだろう?
いきなり、とてつもなくデカい話をしますね。
みなさんは、この世界について、どれだけ知っていますか?
どれだけ説明できますか?

は?って思わないでくださいね…大事な質問です
人間、わかっていないことがたくさんあります。
でも、人間ってしぶといので、できるだけたくさんのことを知ろうと研究したり、分からないなりに上手い表現方法がないかを調べたりします。
このような研究をする人たちを「学者」や「専門家」と呼びます。
「〜とは何か」をひたすら問い続ける「哲学者」。
人間のよく分からない複雑な感情を作品で表現しようとする「芸術家」。
例を出すとキリがないのでこの辺にしておきますが、この中に「物理学者」も存在します。
物理学者の目標は、この宇宙空間に存在するあらゆる出来事を、全て数式で表現することです。
そして面白いことに、今のところかなり上手くいっているのです。
消しゴムを投げたら床に落ちる、という出来事。
地球は太陽の周りを回っている、という出来事。
救急車が通り過ぎるとサイレンの音程が急に変化する、という出来事。
全部数式で説明しようとするのです。
人によっては、俳句で説明しようとするかもしれませんし、聖典によって説明するかもしれません。
でも物理学者は、数式で説明することにこだわり続け、相当高い精度で未来の予測ができるようになりました。
これにロマンを感じる人たちが、物理を勉強するわけなんですね。
物理では「歴史」を学ぶ
とはいえ、いきなり宇宙空間の全貌を理解したい!と言っても不可能です。
簡単な問題を先に解いて、少しずつレベルアップしないと、どんな天才でも初っ端から詰みます。
そのため、私たちはまず古典力学と呼ばれるものを学習します。
古典力学は、1600年代にニュートンという人がまとめた物理です。
(わかりやすさのために、その後の古典力学の進歩とかは一旦無視)
ニュートンは、リンゴが落ちるのをみて重力に気づいた、という話で有名なあの人です。
これだけ聞くとかわいいですが、実はもっと素晴らしいことに気づいた人でもあります。
それは、「とある3つの法則だけでこの世の現象を数式にできるのでは?」というエグいことに気づいた、というもの。
実際この発見は、ほとんどの場合では正しい!ということで今でも使われています。

ほとんどの場合ってなに?正しくないの?
こう思う方も多いでしょう。
もう少し踏み込んで言えば、「日常生活レベルなら、とんでもなくエグい精度で計算結果と実験結果が一致する」という感じ。
光速レベルに爆速な物体とか、原子レベルに小さい物体とかを考え始めると、確かに誤差が生まれます。
(ちなみに、これに気づいたのはアインシュタイン)
でもいきなりアインシュタインの相対性理論とかを理解しようとするのは無理なので、古典力学から徐々に発展していく物理の歴史を辿るようにカリキュラムが組まれているのです。
ですから、古典力学を理解することなく現代の物理を理解するのはほぼ不可能なのです。
古典力学の概要
以上の理由から、古典力学では「理想的なもの」について考えることが多いです。
要するに、面倒なものは全て無視して、少しずつ難易度を上げていくようにするのです。
例えば、空気抵抗を無視したり、摩擦を無視したりするのはよくあること。
もっと言えば、物体の大きさを無視する、ということもよくあります。
以下のように、少しずつ難易度を上げていく、という風に思っておくと良いでしょう。
- まずは、質量はあるけど大きさが無い物体を考えよう。もはやただの点だから質点とでも呼ぼう。
- 質点についてよくわかったから、次は大きさがあるものを考えよう。簡単にして考えたいから、変形しない球を考えよう。
- 変形しない球についてよくわかったから、次は球以外の物体を考えよう。でも変形するとめんどくさいから、剛体を考えよう。
- 剛体についてよくわかったから、次は密度が偏った物体や、変形する物体、さらには流体とかについても考えてみようかな。
- (続く)
古典力学から、どんどん新たな物理へと発展していく歴史を辿る、というイメージが、これでわいてきたと思います。
これを勘違いしてしまうと、勉強している意味を見失ってつまづいてしまいます。
微分積分と物理
さて、この世を数式で表現する、と言いましたが、それではどんな方程式で表現するつもりなのでしょう?
一番有名なのは、次の運動方程式でしょう。
$$m\dfrac{d^2\boldsymbol{x}}{dt^2}=\boldsymbol{f}$$
今逃げ出しそうになった人、ちょっと待って。
まだこの式を理解する必要は1mmもありません。
文字だらけだし、ところどころ太文字になってるし、バケモンみたいな分数もあるし…となっていると思いますが、あまり気にしないでください。
今回着目して欲しいのは、この変な分数\(\dfrac{d^2\boldsymbol{x}}{dt^2}\)です。
これ、微分の記号です。
この運動方程式は、先ほどのニュートンが思いついた「3つの法則」の1つなのですが、微分を使って書かれている、というのがとても重要なのです。
この世の中は、微分によって書かれている、ということを意味しています。
ちなみにこの式は微分方程式と呼ばれていて、条件を加えてやると解くことができます。
この「解く」という操作を積分と言います。
もう一度確認してみましょう。
ニュートンによれば、この世の現象は微分によって表現することができて、積分することでその答えを求めることができる、ということです。
したがって、古典力学を本質から理解するためには、微分積分はどうしても避けては通れない道だということがわかります。
とはいえ、このサイトで微分積分の基本的な計算方法は全て解説する予定ですから、安心してくださいね。

実際に使う微分積分の計算はそこまで複雑じゃない。数学の問題を解くわけじゃないからね。
物理の実用性
最後に、物理と数学の関係性についてお話ししたいと思います。
これまで、物理と数学は密接な関係にあり、共に発展してきました。
これは、何度も書いてきたように、物理が数学を利用してこの世を理解しようとする学問だからです。
ただ、現代では数学者の扱う数学と物理学者の扱う数学にはレベルに大きな差があります。
数学者の扱う数学は、とても厳密なのです。
極端な話ではありますが、物理は微分積分を使って世の中を理解しようとする学問ですが、数学は微分積分が可能かどうかを調べる学問、というくらいに大きな差があります。
実際には、この世を表現するあらゆる方程式は、「どうせ微分可能・積分可能」です。
こんなことを言うと数学者に怒られるのですが、結構正しい。
本当に微分可能か?積分可能か?という証明は数学者に任せて、これから私たちは数学を使いこなすことに専念し、細かな証明は省くことにします。
終わりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
高校物理を一人で勉強しようとすると、物理に対する背景知識が不足しているために、つまづいてしまうというのは、本当によくあることです。(私もその一人でした。)
このサイトが、皆さんの学習の助けとなり、物理の本当の面白さを発見するきっかけになれば幸いです。一緒に物理の世界を探求していきましょう!